北山猛邦「先生、大事なものが盗まれました」
昔なんとなく買って読み逃していた本でしたが、なんとなく読んでみました。
北山猛邦さんって、メフィスト作家だし一癖あるとは思っていたけれど、とにかく物凄い発想力だなと……感嘆のひとこと。
何が盗まれたのかを推理する小説っていうのが新しいのです。
ファンタジー要素は強いけれど、世界観は現実世界寄りという不思議なお話でした。
そして衝撃のラスト!「続く。」
いや、まあ、お話的には短編が3つ入ってる感じだからキリは良いけれど、謎が深まってこれからって時に「続く。」
この本は2016年に書かれたものだから、7年経っているし、続編あるでしょ?と思って調べたらまさかの続編がない。
まだ作者さんはお若い方だし、きっとこれから続編あるのよね?まさか、江戸川乱歩の「悪霊」みたいなことにはならないですよね?
正直、めちゃくちゃ続きが気になるんですけど……。2016年から待ってる人がいると思うので、にわか読者の私が騒ぐのはなんだか申し訳ないです。でも言います!続きを読みたいです!
気長に待ってます。
このお話は、キャラ立ちがとても良くて、個人的にはヨサリ先生がとても好き。
ヨサリ先生を表した言葉がとても印象的だったので紹介です。
〈厭世的に見えて人懐っこく――虚無的に見えて楽しげで――それはたぶん孤独に折り合いをつけた人が辿り着く生き方じゃないかと思う。〉
これ、めちゃくちゃ良いなと思ったんですよね。
風変わりなミステリーに出会いたい方、続きを気長に待てる方にオススメな1冊です♪