夏川草介「本を守ろうとする猫の話」
夏川草介「本を守ろうとする猫の話」読了。
この本、なんで今まで読まなかったんだろうと思うほどの良作です。久しぶりに「これは…」となる本に出会った気持ちです。
とくに読書が好きな人は、絶対に読んだほうがいいと思います。
読書とは何か、自分は何のために読書をしているのか、本を愛するとは何か…めちゃくちゃ考えさせられます。
夏川さんの本は「神様のカルテ」が有名で、皆さんわりと目にしたことがあるんじゃないかな…。
「神様のカルテ」を知る人からすると、テイストの違いを感じて少し戸惑うかもしれません。
この本は「毒気と諧謔と皮肉に彩られた」と夏川さん本人が仰有るように、なかなか読書好きな人を刺し、抉りにくる本です。
読書が好きな人こそ、読んでほしい1冊。
最後、夏川さん自身が自ら書かれた書評にも胸を打たれました。むしろそこで少し泣けたくらいです。
お話自体はサラサラ読めるし、喋る猫ちゃんは可愛いし素敵な書店は出てくるしで、私の好きなものが凝縮されたようななんともエモさのある作りになっています。
いやー、オススメです!